遺言の大切さ

こんにちは。

今日はまず、相続の基本のお話からしていきたいと思います。
人が亡くなって相続が発生すると、まずは相続人を確定する作業が必要です。
基本は、①第一順位は子、②第二順位は直系尊属、③第三順位は兄弟姉妹、となります。
そしてここには書かれていませんが、①②③、どのケースでも、配偶者は必ず相続人となります。
例えば、Aさんという人がいたとして、生涯独身を貫き、子もいない、両親・祖父母等の直系尊属は皆既に他界していて、幼い頃に両親の離婚により離ればなれになった弟が一人いる、という場合、Aさんの相続人はその弟さんとなります。
そして、Aさんよりその弟さんの方が先に亡くなっていた、という場合、「代襲相続」と言いまして、その弟さんの子(つまりAさんの甥・姪)が相続人となります。
弟さんと幼い頃に離ればなれになり、その後会っていなければ、Aさんは当然その甥・姪にも会ったことはないでしょう。
そんなAさん、籍こそ入れませんでしたが、内縁の妻がいたとします。
Aさんが亡くなる前10年ほど一緒に生活し、晩年はAさんの介護もしていたとしましょう。
気持ちとしては、その女性に、Aさんの相続をさせてあげたいですよね。
しかし、Aさんの弟さんの甥・姪が存在することで、その可能性はなくなります。
前回の、「特別の寄与」(お嫁さんのお話です)のブログで、「相続人無くして亡くなった場合は、内縁の妻などにスポットが当たる場合もある。」と書きました。
もし、Aさんに相続人と呼べる人がいなければ、この内縁の妻が「特別縁故者」として、相続財産の分配を受けることが出来たかもしれません。
しかし、会ったこともないけれど、この甥・姪は、Aさんの相続人になってしまいます。現行法上そう決まっているのです。
とはいえ、Aさんが生前、きちんと手当しておけば、財産を内縁の妻にそっくり譲り渡すことができます。
そうです、遺言ですね。
相続人では無い内縁の妻に譲るわけですから、「遺贈」となります。
きちんと遺言を遺しておけば、Aさんの財産は内縁の妻に譲り渡すことができます。
今は、40代くらいで健康な人でも、遺言について考える人が増えています。
遺言は、一度書いたら書き換えられないものではないので、是非一度、今の「遺言」を考えてみてもいいかもしれませんね。